CAREER ROOKIESは、大学生なら誰でも参加できる1日完結型のビジネスコンテスト。意識の高さをアピールする場ではなく、楽しくビジネスに触れたり、挑戦を通して新しい自分を発見したりすることを目的としています。
では、学生時代にビジコンを経験することにどんな意味があるのでしょうか?今回は、大学1年生の時にビジコンに参加し総合優勝を果たした白倉さんにインタビューをさせていただきました。白倉さんは2024年春から、大手出版社に入社を予定しています。
*白倉さんが参加したビジコンはCAREER ROOKIESではありません。ビジコンの仕組みが異なるためその点ご了承ください。
白倉さんのプロフィール
一橋大学経済学部5年生。大学1年生の時に当時国内最大規模の学生ビジネスコンテストに出場し、総合優勝し100万円を獲得。大学3年生の時にコロナ禍の中1年間ベルギーに留学。帰国後、就職活動の中でメガベンチャーや大手出版会社に内定し、来年春から出版社で勤務予定。
大学1年生の時にビジコンに参加しようと思った理由
-白倉さんがビジネスコンテスト(以下、ビジコン)に参加しようと思ったきっかけを教えてください。
サークルの先輩がビジコンに参加しているのを見て興味を持ったのがきっかけです。初めて参加したのが大学1年生の8月。当時はとりあえず挑戦してみたいくらいの気持ちだったので、ちょうど良い時期に開催されているものを探して申し込みました。
-初めてビジコンに参加されたときはどんな感じだったのでしょうか。
初めて参加したビジコンでは、右も左も分からない状態だったので、フィードバックをもらっては改善することを繰り返していました。また、ビジコンのオーソドックスな進め方である、市場調査を通してインプットを行う→コンセプトを設計する→アウトプットに繋げるといったことも全く分からないので、手探りで進めている状態だったのを覚えています。
-それは大変ですね。そのときはどのようにアウトプットに繋げていたのでしょうか。
無理やりでしたね…。サークルで仲の良い友達3人でチームを組んでいたので、とにかく話し合いを重ねていました。ときにはファミレスで何時間も話し合ったり、部室に泊まり込んだり。当時はまだコロナ前でzoomが普及していなかったので、LINE電話で議論することもあり、なんとかアイデアをまとめていました。
-話し合いを行う上で、何か心がけていたことはありますか。
自分の意見を隠さないようにしていました。話し合いの主導権を握っている人に対して違和感を抱いたまま進めていると、上手くいかなくなったときにいくらでも言い訳ができてしまうと思ったからです。異なる意見だからといって伝えずにいることは、チームにとってマイナスにしかならないと考えていました。
また、自分が主導権を握るのも議論にならないかなと思っていたので、対等な立場で話し合うことを意識していました。これは初めましての関係性だと難しいところかもしれませんが。
頭の回転の速さや考え方が異なると、話し合いの中で聞き返したり理解してもらえなかったりすることがあるので、工夫が必要だと思います。
ビジコンに参加することで成長するポイント
-白倉さんが感じるビジコンの魅力を教えてください。
1つは、チームプレイに熱中できるところです。大学生になるとほとんどの人が部活をやらなくなるので、仲間と一緒に何かに取り組んでより良い結果を目指す場としてビジコンは良いフィールドだと思うんです。言うなれば、文化版スポーツですね。
2つ目は、ビジコンで市場調査をする過程で世の中のことを知れること。知的好奇心が満たされたり、そのときはビジコンのために調べていたことが後になって役立ったりするのは独自の魅力だと思っています。
例えば、とあるビジコンに参加したときにRFIDチップについて学んだんです。これは洋服のタグに取り付けることで、RFIDチップが発する電波を通して段ボールや袋に入った状態でも商品の判別ができる便利なアイテム。後日、ユニクロに行ったときにレジの効率化のためにRFIDチップが導入されているのを見て、衝撃を受けました。
また、高校生まではマネタイズの概念をあまり理解できていないと思うのですが、ビジコンではマネタイズありきのアウトプットが不可欠。企業のマネタイズの知識を知ることで、高校生までの狭い知識が一気に広がったのが新鮮でした。
ビジコンの経験はインターンより成長できる
-その後の学生生活でビジコンの経験は役に立ったと思いますか。
ビジコンを通して自分の好き嫌いを知れたのは、役立っていると思います。高校生の頃までは、周りの意見に流されることが多く、本音で友達と意見をぶつけ合った経験はありませんでした。だからこそ、チームでの話し合いでメンバーと議論することを通して、自分が知らなかった自分の価値観や考え方を発見できたのは貴重な経験だったと思っています。
また、自分が面白くないと思っていることは相手にとってもそうである可能性が高いこともビジコンで学んだことの1つです。ビジコンの話し合いで議論が発散した際に、一旦結論を出してみたけれど微妙な内容になったことがありました。結局、そのアイデアはコンテストであまり評価されず。
自分や周りが納得した状態で結論を出す重要性を、ビジコンで学べてよかったです。
-白倉さんはその後、就職活動で大手出版社に入社予定と伺っています。ビジコン経験が就職活動やその後のキャリア感で生きていることはありますか?
就職活動に直接的に役立つスキルがビジコンの中で得られる、というようなことはありません。しかし、自分の将来を考える上で大いに役立ったと思う点が2つあります。
一つは、仕事への前向きな姿勢を養ったり、興味関心を広げる機会となったことです。楽しみながら仕事の一部を擬似的に体験することで、企業が実際に行なっている施策のすごさや楽しさを実感しました。ビジコンでは、どういうサービスをどうすればマネタイズできるのか、どうすればもっと消費者に使ってもらえるのかを考えます。これは会社の仕事の中で企画や販売促進にあたります。企画や販促を自分たちで考えてみることで、企業が実際に行なっている施策の規模感や面白さを身にしみて実感します。また、それまで仕事に対してネガティブなイメージしか持っていなくても、ビジコンを楽しいと感じることができれば、社会人として働くことも嫌なことばかりではなく楽しいのではないかな、と前向きに考えることもできます。
-働くことに前向きなマインドが培われるのは意外と大きいですね。
もう一つは、さまざまな業界・企業に触れられることで、仕事の面白さや自分の適性を感じ取るきっかけになったことです。ビジコンには協賛企業がついていて、その企業がその企業に関する「お題」を出してくれることが多々あります。ですので、ビジコンに取り組む中で企業について調べ、業界について知ることになります。そうすると、今まで全く興味のなかった商品や企業に興味をひかれることがあります。実際に私はアパレル関係の企業のお題に挑戦したことをきっかけに、ファッションに興味を持ち始めました。単なるビジコンの協賛企業が無意識のうちに趣味に繋がったり、就職活動の業界選びに繋がったりすることもあるでしょう。
ビジコンに参加することで興味関心が広がったり、会社や仕事というもが少し身近に感じられるようになります。友達と楽しみながらビジコンに取り組んだことは、社員の評価の目を気にしながら、たった数日間のインターンシップに参加してその企業を理解した気になるよりも、私のキャリア選択にはるかに役立ったことだと強く思います。
学生へのメッセージ
-最後に、今この記事を読んでいる大学生の皆さんにメッセージをお願いします。
とにかく、身構えずに楽しんで欲しいです。ビジコンと聞くと堅苦しさや意識高い人がやるイメージを抱きがちですが、チームで結果を出すという点においては、中学や高校でやっていた部活動とほぼ変わりません。
「ビジネス」「マネタイズ」「パワポ」などのワードに抵抗感を覚えてやらない人が多いんじゃないかなと。「暇だから参加する」など動機はなんでも良いと思います。
また、ビジコン中に友達と過ごした時間は良い思い出になるとも思います。人間関係が広く浅くなりやすい大学生活の中で、濃い人間関係を築けるのは貴重な経験になるはずです。身構えずに挑戦して、楽しんでみてください。
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